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2025年8月22日金曜日

SHURE SC35C+新品純正針 シェル組み付け済み品

 シュアーSC35Cに新品の純正針を組み合わせ、ヘッドシェルやリード線とともに組み上げました。

画像では備品の試聴用針が付いていますが、商品では新品の純正針が付属します

1974年に発売されたSC35Cは、先達のM44シリーズとともにシュアーがフォノカートリッジ製造の歴史を閉じる2018年まで同社の看板を張った針です。

業務用途向けの普及モデルという性格上、昔日のMM型カートリッジの特質を色濃く残したSC35Cは、盤面に刻まれた音源を素のまま引き出して聴かせるようなストレートな出音を身上としています。
生産終了によって、SC35Cの聴かせる“古典的な高忠実度再生”というようなスタイルの音も、市場に残された良品の個体が消費されて行くにつれ次第に過去のものとなって行くのでしょうが、今回いくらかの新品の純正交換針を仕入れられたため、いま聴ける最良の音でSC35Cを楽しめるよう吟味した部材とともに組み上げました。

ヘッドシェルにはオーソドックスなテクニクス製を使用。リード線はヴィンテージの線材を用いた当店オリジナル品を組み合わせ、更に独自のチューニングを施しました。チューニングは、これまでと同じく純正状態へ復帰可能な内容です。

分析的な聴き方を遠ざけるようなのびのびとした闊達さと、モノラル/ステレオの境界が希薄化するような独特のリアリティをお楽しみください。




・SHURE SC35C+新品純正針 シェル組み付け済み品・・・・・25,000円(税込み)*
*商品の性格上、発送での販売については初回取り引きのお客さまは現状販売に限り承ります。



ヘッドシェルは在庫状況に応じて銀または黒となります。また、組み付けネジ・ナットの意匠が変更となる場合があります。予めご了承ください。






ご希望の方には、お使いの機器に合わせて針先位置を調整いたします。現在ご使用のカートリッジで下図Aの寸法を測った上で、お求めの際にお申し付けください。
画像は先出の製品の流用ですが、針からアーム取り付け部分後端(接点端子の高さは含まない)までを測ってください。

2025年8月20日水曜日

SHURE M75 +新品互換針 シェル組み付け済み品

シュアーM75の丸針モデルに新品の互換針を組み合わせ、ヘッドシェルやリード線とともに音をまとめました。


1967年にM44シリーズの上位機種として発売されたM75シリーズは、ヤマハがプレーヤーの標準搭載品として採用するなど、日本国内でも広く親しまれたカートリッジのひとつでした。80年代中頃に行われたシュアーの大幅な機種整理で廃番となりましたが、長く続いた完成度の高いシリーズで、安定感のある音と扱い易さが特長です。


今回使用した互換針は国産品で、0.6ミルの丸針を採用し、適正針圧は1.5〜2.5g。テンションワイヤも省くことなく採用しており、丸針タイプの純正針と同じ仕様となっています。
本体部への取り付け部は角管の切りっぱなしで潰し加工は施されていません。これは、カートリッジ本体の製造時期によってきつかったり極端に緩かったりと針の嵌合に相性があるためで、使い始めには本体に合わせて調整する必要がありますが、この部分は当店にて調整済みです。
音は、上品で柔らかな音の純正針と比較すると飾り気が無くよりストレートな、どちらかと言えばM44系寄りの出音です。純正至上主義からは逸れるものの、作り込まれた音があまり得手でない当店にはかえって好都合だという事で、この針のキャラクターを活かして当店なりに音をまとめてみました。

ヘッドシェルにはオーソドックスなプレスシェルを使用し、リード線には1920年代の単線を使った当店のオリジナル品を組み合わせ、更に独自のチューニングを施しました。チューニングはこれまでと同じく純正状態へ復帰可能な可逆性の内容です。




・SHURE M75+新品互換針 シェル組み付け済み品・・・・・20,000円(税込み)*
*商品の性格上、発送での販売については初回取り引きのお客さまは現状販売に限り承ります。

ヘッドシェルは在庫状況に応じて銀または黒となります。また、組み付けネジ・ナットの意匠が変更となる場合があります。予めご了承ください。




ご希望の方には、お使いの機器に合わせて針先位置を調整いたします。現在ご使用のカートリッジで下図Aの寸法を測った上で、お求めの際にお申し付けください。


2025年7月27日日曜日

アンソニア シェルリード線

 アンソニアのエナメル線でシェルリード線を作りました。

線径0.3mm

古線材の中で、半ば神格化されているような一部の稀少線材とは距離を置いている当店ですが、本品は例外です。

一聴して特にどうという事のないごく当たり前の出音。まあこんなものかと聴き馴染んだ盤を普段通りに聴き流していく中で、しばしばおやと感じ、少しずつその本然が実感されてくるというような、個人的には驚きが後から遅れてやって来る線でした。



・アンソニア シェルリード線・・・・・4,000円(税込み)



・製品についての注意事項・

*本品は製造から長い年数を経た古線材です。きつい屈曲や繰り返しの曲げ伸ばしといった線材にとってダメージとなり得る取り扱いは避けてお使いください。

*交換時の断線や、交換作業に伴うカートリッジの破損等が発生した場合、当店は一切その責を負いません。ご購入はこの点をご了承いただいた場合のみ承ります。


2025年2月24日月曜日

カスタムカートリッジ M44-7SV/M44G-SV

 SHUREのM44G、M44-7を当店でカスタマイズしました。

このカスタマイズは、レコード針が盤面をトレースする際に針の周囲に発生する音や振動を、排除すべきものではなく活かすものと捉えて再生音に取り入れることをコンセプトとしたものです。カートリッジのボディを突板(Sliced Veneer)で仕上げたところから、それぞれM44-7SV、M44G-SVと名付けました。


ある音色で響いている物体に何か別の物体をつけ足せば、音色は変化します。レコード再生時にフォノカートリッジの各所に発生し再生音に影響を与える「針鳴き」や「シェル鳴り」と呼ばれる不要振動(=金属やプラスチックの共振)を、カートリッジ本体部に突板を張ることにより木の響きで整え、再生音として活かすというのが本品の仕組みです。
一方で、響きの量(=鳴きの大きさ)については、何かを付け加えたらその分だけ減衰していきます。木を付け足すことで響きの質が向上する反面、響き自体は削げ落ちて行く。このトレードオフの関係の中で、いかに響きを目減りさせる事なく良い形へ変換できるかが本品を作る上で最大の課題でした。


製作にあたっては、使用する突板を徹底的に薄くすることに努めました。小さなカートリッジの微弱な振動に対して突板そのものが制振材として作用してしまうジレンマから逃れるためです。
薄く抄きなおした突板は、これもまた制振材になり得る接着剤やテープを用いることなくカートリッジに張って行きます。突板を張り込むなかでは外観部の凹凸を利用して中空部を作り、響きの量も確保します。この作業はもっとも困難な工程です。

塗装には弦楽器と同じシェラックニスを使用。ラックフレークは硬軟を試し、もっとも好ましいものを選んで使っています。
ニスは、カートリッジのサイズに対して通常の濃さで用いると塗膜が厚くなり過ぎて細く硬い音になるため、薄く希釈したうえで筆は用いず、拭き上げと乾燥を繰り返すことで塗り重ねています。これによりしなやかな響きを得られ、見た目も美しく仕上がります。また、ニスが硬化することで紙のように薄い突板には実用に耐え得る強度が出ます。

以上で完成です。


仕上げたカートリッジは、より響きが活きるような形でヘッドシェルへ組み付けます。比較試聴の結果、シェルはアルミの削り出しタイプを採用。リード線には当店オリジナルのもの、針にはいずれも中電のM44シリーズ共用交換針の新品を組み合わせ、トータルで音をまとめています。


M44-7SV

M44G-SV

M44G-SV、M44-7SVは、いずれも店頭でご試聴いただけます。
同じヘッドシェルに組み付けたノーマル品との比較試聴も可能です。響きの質感や音像の実在感、空間再現性の違いを体感していただければと思います


ベースとなるカートリッジや部材の確保状況から、いずれも数量限定・不定期製作での販売となります。

・M44-7SV、M44G-SV・・・・・各40,000円(税込み)
いずれもヘッドシェル・リード線組み付け済み


*注意事項*

本品の外観部には非常に薄い木材を使用しております。取り扱い時は充分ご注意ください。

本品は外観の塗装にシェラックニスを使用しているため、アルコールやアルコールを含む溶剤、クリーナー、ウェットティッシュ、飲料などが付着しないようご注意ください。これらのものが付着した場合には、塗装が軟化・溶解します。


2024年6月7日金曜日

小型真空管プリアンプ

海外製の基板キットをベースに、シンプルな構成という特質を最大限活かした小型真空管プリアンプへ仕立てました。



外装には厚さ2ミリのステンレス、SUS304を採用。三条の精密加工メーカーに誂えた地元新潟製です。

アルミならばともかくも、厚さ2ミリのステンレスというのは市販のオーディオ製品の外装ではハイエンドクラスでもない限りめったに使われる事はないと思います。周囲の物の響きを拾いやすい管球式プリアンプにこうした素材を用いたのですから、当然ながら音も変わります。

筺体の剛性を高めると音の明瞭度や音像の実在感は向上しますが、高め過ぎると量感や響きが削がれるため、試聴を重ねつつ細部を調整しています。側板を廃し、天板の高さを変更。天地板を繋ぐ支柱に敢えて細い真鍮スペーサを採用するなど、響きや音場表現の自然さを狙った仕様としています。


付属の電源アダプターはAC出力のものです(一般的なDC出力の電源アダプターは使用できません)。


キット基板は、要所のコンデンサーやLEDを変更して使用

鮮度が高く自然な出音。情報の詰まり過ぎた音同士の間隔を拡げてくれるような、軽くしなやかに広がる印象の音です。


製品内容: アンプ本体、電源アダプター


・小型真空管プリアンプ・・・・・15,000円(税込み)


・製品注意事項・

・本品は組み立て後に動作確認済みですが、キットという性格上、保証無しの現状販売となります。本品の使用にともなう不具合や事故等の発生した場合には、販売者ならびに製造者は一切その責を負いません。販売については本項をご了承いただいた場合に限り承ります。

・製品の仕様上、パワーアンプ側のボリューム開度や、ボリューム非搭載の製品など、組み合わせるパワーアンプの仕様や使用方法・環境によってはノイズの発生する可能性がありますので、予めご了承ください。

・接続端子類や操作部が基板上に直接取り付けられている構造上、操作時やケーブル接続時は無理な力を掛けないようご注意ください。

・側板の無い構造上、基板部に指や物を差し入れないようご注意ください。

・作動中の真空管は高温になりますので、直接触れないようご注意ください。

・外装のステンレス板には加工時の微細な傷の残っている場合がありますが、意匠として意図的に残しているものであり、仕様ですのでご了承ください。

2024年5月9日木曜日

復刻版・スピーカー取り付け金具

 地元新潟は三条、中村精工の中村さんとの何気ないやり取りがきっかけとなって、ニッチな、しかしながら好事家の痒いところに手の届く製品が生まれました。


昔日のドイツ製スピーカーに使用されていた取り付け金具を模した復刻品です。

この金具は現行商品に同等品が無く、そのまま代替できる市販品も見当たらなかったため、当店ではこれまで入り用になるたびに近い形状の金具を加工して作ってきたのでしたが、先頃それをぼやいたところ、「無ければ造ります」と中村さん。

こうして本品が出来上がりました。

鉄板亜鉛めっき仕上げ

〜10インチ程度のユニットに適しています。大きな磁気系を搭載したものなど極端に重量のあるユニットには向きません。
また、ユニットによってはフレームとの接触部にゴムなどを咬ませたりワッシャを併用したりと使いこなしの求められる製品ですので、ものの扱いに慣れた自作派の方へおすすめします。

使用例

ユニットのマウントの仕方は、音の良し悪しの根本に影響する要素です。フレームを面で固定した時と線や点で固定した時とでは出る音は大きく異なります。
良いスピーカーシステムを作るにあたっては、エンクロージャーの板材や内部配線にこだわるより前にすべき事があり、ユニットを適切にバッフルへ固定するというのも、その一つです。

ネジ孔を持たない往時のユニットの本領を引き出す的役としておすすめします。


ユニットのサイズやマウント方法、ステレオ/モノラルなど、使う方によって使用個数は変わりますので、本品は1個ずつの単品販売といたします。


・復刻版・スピーカー取り付け金具・・・・・300円/1個(税込み)
限定製作のため、販売数が定数に達し次第終売となります。追加製作は未定です。


製品注意事項

本製品について、本品の使用にともなう機器の破損その他損害等の発生した場合、製造者ならびに販売者は一切その責を負いません。販売に際しては本項をご了承いただいた場合のみ承ります。

2024年2月26日月曜日

モノラルミニアンプ 第3版

昨今の部品入手難による長らくの製作中断を挟んでようやく、

モノラルミニアンプ・第3版です。

第3版

これ以上省けないほどシンプルな内容のアナログアンプを、内部のヴィンテージパーツから基板を這わせる線材、外観部品に至るまで吟味した良質の部材で組み上げました。


本品の試作・仕様検討にあたっては Vintage Join の喜代門 守氏にご助力いただき、音の完成度を最大限に高めています。

出力: 1W(8Ω接続時)、入力: RCA端子1系統(モノラル入力)。電源として、高品質の国内製トランス式ACアダプターが付属します。


お客さまから「起爆装置」「追跡装置」とあだ名される武骨なデザインながら、音楽を気軽に楽しめ、飽きずにながく親しめるモノラルサウンドを旨とするアンプです。

筐体部サイズ:W100・H40・D70mm(端子等の突起物を除く)


・モノラルミニアンプ 第3版(製品内容: 本体、ACアダプター)・・・・・完売


自然故障に対する製品保証は1年で、以後は有償にて対応いたします。それ以外の事由に因る故障については有償にて対応いたします。

最も単純なものを入手し得る最良の素材で、という製品主旨から、コストダウンを旨としない仕様変更を実施する場合があります。予めご了承ください。

2023年10月12日木曜日

WE製エナメル線のシェルリード線

  1920年代のウェスタン・エレクトリック製エナメル線でシェルリード線を作りました。

使用例

線径0.25mm。当店のシェルリード線で音を比較すると、階調表現の豊富な音と明るい響きが特長の仏製エナメル線と、太く濃い出音で落ち着いた表現の英国製綿巻き単線の中間の表現にあたります。

ヴァイオリンの演奏で比較すると、仏製エナメル線が明るく軽やかな響きで聴かせるところを、本品はやや張りのある表現で聴かせるといった按配で、音の響きや階調の豊富さを重視しつつも、中心音像の存在感や力感、濃さといった要素も求められる方へおすすめします。

撚り線をシェルリード線にお使いの方で、より実在感のある音を好まれる方や、にじみと喩えられる類のエコー的な響きや付帯音を廃して音源の素の響きをより抽出したいという方などにもお試しいただきたい商品です。

製品仕様: 線材長30mm、金メッキ端子(取り付け径は両端で変えてあり1.0mmと1.2mm) 
線材とシェルチップとハンダのみ。カラーチューブや被覆類を一切用いない仕立てです


・WE製エナメル線のシェルリード線・・・・・
4,000円(税込み)


・製品についての注意事項・

*本品は製造から長い年月を経過した銅線です。きつい屈曲や繰り返しの曲げ伸ばしといった線材にとってダメージとなり得る取り扱いは避けてお使いください。

*交換時のリード線の断線や、交換作業に伴うカートリッジの破損等が発生した場合、当店は一切その責を負いません。ご購入はこの点をご了承いただいた場合のみ承ります。


2023年1月22日日曜日

仏製エナメル線のシェルリード線 限定製作品

 同業の先達からいただいた古いエナメル線でシェルリード線を作って聴いてみたところ、とても良かったので販売することにしました。

1930年代のフランス製エナメル銅線です。

線径は0.2mm。細やかな響きまでほぐして聴かせるような、諧調表現に富んだ明るい音が特長。明確な個性を感じる一方で毎日聴いて飽きる事のない普遍性も具えている、文章で喩えるのが難しい魅力を持つ音です。

チューブなどの被覆類を一切使用しない仕立てです

キンクの多い線材から状態の良い部分を選んで製作しているため多くは作れず、今回入荷分のみの限定製作品となります。

ビニール被覆の撚り線をシェルリード線にお使いの方で実在感のある音を好まれる方、付帯音(“にじみ”と喩えられる類のエコー的な響き)を廃して音源の素の響きをより抽出したい方などにもお試しいただきたい商品です。


製品仕様: 線材長30mm、金メッキ端子(取り付け径は両端で変えてあり1.0mmと1.2mm)


・1930年代フランス製エナメル線のシェルリード線・・・・・4,000円(税込み)


・製品についての注意事項・

*本品は製造から長い年月を経過した銅線です。きつい屈曲や繰り返しの曲げ伸ばしといった線材にとってダメージとなり得る取り扱いは避けてお使いください。

*交換時のリード線の断線や、交換作業に伴うカートリッジの破損等が発生した場合、当店は一切その責を負いません。ご購入はこの点をご了承いただいた場合のみ承ります。

2022年8月1日月曜日

オリジナルインシュレーター・改訂版


 当店オリジナルのインシュレーターを改訂版として新たに製作しました。

 左が新しく製作したもの。  右が従来品。

直径をこれまでの7mmから9mmに、厚みは倍の4mmとしました。

従来品同様、本品も店頭でご試聴いただけます。


本品は、平底のブックシェルフ型スピーカー用として、エンクロージャーの響きを活かす事に主眼を置いて製作しています。

平底のブックシェルフ型を直置き設置でお使いの方に、また、既に木材や金属のような硬質素材やソルボセインのような制振素材のインシュレーターをお使いの方にもお試しいただきたいです。

本品はラムネ菓子ほどの小さなものです。見た目も4mmほど浮いているだけでインシュレーター自体は目に留まらないため、いかにもオーディオに凝っていますといった印象にならず、室内の雰囲気にも影響しません。
当店でも常用しています。


・ブックシェルフ型スピーカー用オリジナルインシュレーター
8個・・・・・1,000円(税、送料込み)

本品単品での発送販売時は定型便封書で発送いたします。

2022年1月16日日曜日

ヤマハYP-511用追加ウエイト

 ヤマハのターンテーブル、YP-511用の追加ウエイトを作りました。

使用例: AT製ヘッドシェル+DENON DL-102、計29グラム(配線、端子類を除く)

YP-511はシンプルな構造と要所をおさえた造りが特長のプレーヤーですが、使用できるカートリッジは13グラムまでとなっており、重量のあるカートリッジやヘッドシェルの使用には制限があります。そこで、専用の追加ウエイトを企画しました。

本品は真鍮削り出しで製作された30グラムの重りです。YP-511のアームはサブウエイトを持たない構造のため、ウエイト本体部に芋ネジで固定する仕様としました。そのため、本品使用時の針圧調整には針圧計が必要となります。


・ヤマハYP-511用追加ウエイト・・・・・6,500円(税込み)

2021年11月23日火曜日

モノラルミニアンプ第2版の製作

欠品中のモノラルミニアンプを新たに製作しています。

組み上がりを試聴中


とはいえ、パーツ類の入手難から今回は再販と言えるほどは作れません。手持ちのヴィンテージコンデンサーから選んだものを基準機と比較試聴しながら組んで、おそらく3台程度でしょう。


販売価格は未定ですが、従前に比べ応分の値上げとなります。また、オプションの国産トランス式ACアダプターについても仕入れ価格の上昇に伴い値上げいたします。

2021年11月11日木曜日

単線を使ったシェルリード線の取り付け例

単線を使用したシェルリード線は屈曲に弱いため、撚り線を使ったリード線以上に取り付け時の扱いに気をつかうものです。

コツを掴めばどうという事はないのですが、さあ換えて聴いてみようというところで断線させてしまうようなトラブルは未然に防ぎたいところですので、ここでは当店で実践している接続方法を紹介します。


シュアーM44-7に付いている試作版のリード線を、袋に入っている金めっき端子の販売版へ交換します。


まず壊さないよう針を外します。MCカートリッジの場合はカバーを被せるなどして針先を保護します。

固定ネジをカートリッジが動く程度に緩めたら、

端子を抜いて古いリード線を外していきます。
親指の先を支点にして外すと微妙な力加減がしやすいです。

カートリッジ側が外れたらシェル側の端子も外して、

これで取り付け準備完了。


断線を招くので、古い単線にはきつい屈曲や繰り返しの曲げ伸ばしは禁物。引き回しはなるべく線材に負荷を掛けないよう曲線状に行うことが好ましいです。
つまようじや串、ドライバーの柄などへ巻きつけて

こんな風にくるんと成形してから

取り付けます。

端子がきつい場合には無理に押し込まず、
ドライバーやピンセットなどの工具であらかじめ端子を開き気味に調整してから取り付けます。指先を突いたりチップを破損させたりしないよう、力を加減しながらじっくり作業しましょう。

ピンの位置関係を見ながら

取り付けていきます。

4本すべて付きました。

この配線方法だとZ字状やΩ字状に線を屈曲させた結線時よりも断線しにくいです。


イギリス製綿巻き単線のシェルリード線

 良質なヴィンテージ線が入荷したのでシェルリード線を作りました。

線材は1920年代のイギリス製の銅単線(線径0.3mm/被覆を含まない)。松脂でコーティングされた綿被覆が特徴です。

端子は一般的な金めっきの物を使用。取り付け径は両端で変えてあり1.0mmと1.2mmです。

線材にはカラーチューブや被覆類はいっさい被せず、極力シンプルに仕上げました。

誇張感の無い実在感と深く落ち着いた響き。普遍的な良さを感じる鳴り方で聴かせます。音をまとめるという点においても非常に優れた線材です。

使用例


・イギリス製綿巻き単線のシェルリード線・・・・・4,000円(税込み)


・製品についての注意事項・

*本品は製造から長い年数を経た古線材です。きつい屈曲や繰り返しの曲げ伸ばしといった線材にとってダメージとなり得る取り扱いは避けてお使いください。

*交換時の断線や、交換作業に伴うカートリッジの破損等が発生した場合、当店は一切その責を負いません。ご購入はこの点をご了承いただいた場合のみ承ります。


2021年9月2日木曜日

オリジナルRCAケーブル


 当店オリジナルのRCAケーブルを作りました。


60年代・西ドイツ製の0.4mm径エナメル単線を使用したケーブルです。ビニールやゴムといった被覆を廃し、自然な空間再現と付帯音の無い実在感のある音像が特長のケーブルです。

音像の周囲に輪郭線のように出る付帯音やエコー的なにじみの無い、素の音の良さを実感していただけると思います。


・オリジナルRCAケーブル 1m*ステレオペア・・・・・7,000円(税込み)

*線材の長さで、製品の全長ではありません。


注意事項

本品は線材に細い単線を使用しておりますので、きつい屈曲や同じ箇所の繰り返しの折り曲げ(殊にプラグからの引き出し部)、プラグ以外の部分を持っての機器への着脱などといった線材にダメージとなる取り扱いは避けてください。

ノンシールドですので、フォノラインには使用できません。

ご使用時の断線や、その他の破損等の発生した場合、当店は一切その責を負いません。発送でのご購入はこの点をご了承いただいた場合のみ承ります。

2021年4月12日月曜日

モノラルミニアンプ、好評です。

お客さまから 「起爆装置」「追跡装置」などとあだ名される当店オリジナルのモノラルミニアンプhttps://yuuginshaaudio.blogspot.com/2020/12/blog-post_11.html

武骨で不器量なアンプですが有り難い事にご好評をいただいており、おかげさまで完売しました。


次回製作予定は現時点で未定ですが、パーツが揃い次第製作に入る予定です。

本品は内部部品や外観部に昔日のヴィンテージパーツを多用している製品の性格上、意匠や仕様、価格を変更する事がありますので予めご了承ください。なお、そうした変更に際しましては当ブログにて前もってお報せいたします。

2020年12月11日金曜日

モノラルミニアンプ・初版

 気軽に音楽を楽しめる当店オリジナルのモノラルアンプです。

出力1ワットちょっと。
小さくこの上なくシンプルなアナログアンプですが、吟味したヴィンテージパーツを使用し、一台ずつ手作業で組み上げています。

試作段階からほとんど変更の無いデザインはお客さまから「起爆装置」や「追跡装置」などと呼ばれる佇まいですが、あえてこの意匠としました。洗練されたデザインからはほど遠いですが、そのかわり傷がついたり擦れたりして古びてもこの武骨さなら気にならないと思いますし、そうなるまで使っていただけると嬉しいです。



マイナスビスやボリュームノブなど、外観部にも昔日のデッドストック品を使用しています。

端子類やパーツの据わる基板部などの構成部材には、長年にわたって同規格で生産されている国産品を中心に吟味したものを使用し、先々のメンテナンスも考慮した構成で組み上げています。


入力はRCA端子1系統(*モノラル入力)、電源はDC12V(スイッチング式ACアダプター付属)です。電源をトランス式ACアダプター(別売り)へと変更する事で音質のアップグレードが可能です。

*本製品にはステレオ出力をモノラル合成する回路は内蔵されておりません。ステレオ音源を手軽にモノラルで楽しみたいとお考えの方へは抵抗入りモノラル合成ケーブルのご使用をおすすめします。別途お申し付けください。



本品の試作・仕様検討にあたってはVintage Joinのキヨトマモル氏にご協力いただき、音の完成度を最大限に高めています。

音楽を気軽に楽しめ、ながく親しめる良質なモノラルサウンドをこの機会にぜひ。




・モノラルミニアンプ(製品内容: 本体、ACアダプター)・・・・・完売



*本製品は昔日のヴィンテージパーツを使用して製作しておりますので、部品の在庫や入手状況等に応じて使用部品を変更する場合もあります。予めご了承ください。

2020年8月22日土曜日

モノラルミニアンプ製作中・2

昨日までは換気扇を動かして作業をしていると入ってきた外気がエアコンを負かしてジリジリと室温が上がってしまい、ハンダごてのわずかな熱気も暑く感じましたが、今日は少しだけ外の暑さが弛んで顔の前の熱気も苦になりません。


これだけ単純な回路でもハンダ着けの箇所は思いのほかあるもので、ハンダが重要な音響用部品である事を再認識させられます。

保守用を除きROEのコンデンサーが払底したので、ROEの音と遜色ない音の良い西独製コンデンサーへ変更しました。ただ、足が太いのでガラスエポキシ基板には組めません。
ベーク基板に組み付ける時はパーツに横方向の力を掛けないように気をつかいます。背も高いので、組み込み時に干渉しないようパターンも変更しました。

2020年8月17日月曜日

モノラルミニアンプ製作中

しまった・・・
スイッチとパイロットランプの孔が逆

裏返せば位置は合いますが、裏は表側のように綺麗に仕上げられていないのでこれはもう使えません。塗装バージョンを作る時の練習台にはなるか・・・


気を取り直して外観ビスを仕上げます


本品の外観ビスにはデッドストックの古いマイナスビスを使用していますが、そのままでは見た目が良くないので一本ずつ頭を均してから使っています。

こんな調子で造っています。

2020年8月6日木曜日

ミニアンプ試作最終調整

製品版の製作に入る直前に良いボリュームが手に入ったので試作機に組み込んで比較試聴しています。
バランスが崩れるかなと少し心配でしたが・・・

良いです。
なんの変哲もないボリュームですが薄皮一枚剥けた音がスパッと出てきます。これまでのボリュームの音が籠って聴こえるほどです。

このモノラルミニアンプ、お客さまの間ではすっかり「起爆装置」という呼び名で定着してしまいました。私が「B級映画の小道具みたいでしょう?」などと言ったからなのですが、愛称と呼ぶには物騒なあだ名が付いたものです。

ここ数日の間に頼んだ部品が次々と到着して、ようやく製作に入る事ができます。