2024年12月25日水曜日

PP400改 雑感・備忘

改造後は馴らしを兼ねて、毎日終日PP400改でレコードを鳴らしている。
純正時の音の粗さや音源を選り好みする性向はうまく治められ、持ち味の闊達さを削ぐことなく音の質感を上げることができた。一日中聴ける音になったし、距離感の再現性とは別のベクトルで音楽が近しく感じられ聴いていて愉しい。馴らされたのは耳の方ということは幾ばくかは言えるのかも知れないけれど、少くとも聴いていてなんとなくうるさいなと感じる音は大抵の場合だれにとってもうるさいものだと思う。

PP400の周波数特性を測った人の挙げているデータを見ると、1kHz/0.5V出力時を基準として低域側はダラ下がりで50Hzで-2dB、20Hzで -4dB。高域側はわずかに持ち上がって10kHz・20kHzでいずれも+0.5dB。この特性は複数の人が挙げているデータで共通しているから信用できる。
今回の改造では定数は変更していないので、この特性は改造後も変わらないはずだけれど、鳴り方は大きく変わった。コンデンサー換装後のチューニングの方が変化の要因として大きな割合を占めているのかも知れないが*。ただ、特性上はハイ上がりの音を「厚みのある太い音です」と言ったところで伝わるものではないだろうし、自分でもどうしてこういう風に聴こえるのか分からないのだから、結局のところ店頭で実際に聴いていただくほかない。

改造するにあたってPP400の最大の利点は安物であること。ボトムラインの製品だからこそのシンプルな回路構成は、構成部材の少さ・単純さ故に少しの改変で大きな効果が期待できるからだ。もっともそれは悪い方への変化についても同じ事が言えるのだけれど。

*そうであるとしたら、コンデンサー換装せずにチューニングのみでそれなりに好い音まで持っていける可能性があるので、次回からはチューニング→パーツ換装の工程で作業し、検証してみたい。


1/10追記
電源ラインのコンデンサを換装。ギリギリの耐圧のものが使われている点が気になってニチコン製に変更。容量は純正のまま。これで旧型のトランス式純正電源も安心して使える(ただし、オペアンプの規格から、純正品以外を使う場合は無負荷時の出力電圧が18V以下になるものを選ぶよう留意)。

チューニングを手直し。