届いたベリンガーPP400を開封。
ロゴマークが違っている。リアルな耳の絵だったロゴが、Cを反転させたような記号的なものに代わっている。お客さんのPP400は旧ロゴの頃の個体ということか。
ケースを開けて中身を見てみる。パーツや構成はお客さんのPP400と同じだが、基板が変更されたらしい。お客さんのはベークライト製だったのか黄色い基板だったが、これは緑のガラスエポキシ基板だ。
電源のACアダプターはトランス式からスイッチング式に変更されている。ここがいちばん大きな変更点だ。音に強く影響する部分だけに気になる。
試聴。まずは純正状態で。
お客さんの旧いPP400と比べると音の質感はだいぶ落ちる。ガチャついた粗い音。初めに聴いたのがこの音だったら間違いなく素通りしていた。「荒っぽいけど、でも・・・」と思わせるものがない。この粗雑な感じはACアダプターがスイッチング式に代わったせいだろうか。
次いで、ACアダプターをトランス式に換えて試聴。アダプターはアイコー電子のものを使用。
PP400の電源はDC12V。トランス式だった旧タイプの純正アダプターは12V・150mAだったが、アイコー電子製の定格は12V・1200mA。スイッチング式と違って安定化されていないから無負荷時は18V以上出ている。使用環境ではPP400のオペアンプや電源部コンデンサーの定格を超えてしまうので、無負荷時の電圧でも定格に収まるようやや電圧の低いモデルを使う。また、電源ジャックの規格が異なるので変換プラグを併用する。
やや粗さが取れて良くなった。マシになったと言うべきかも知れない。他にお客さんのPP400と違う点は基板しかないが、替えられないのでこの音がスタート地点という事になる。
音の質感を上げるべく手を加える。
交換・試聴を繰り返して按配を診ながら一箇所ずつコンデンサーを付け替えていく。定数変更は一切しない。
それらしい鳴り方になった。とはいえ音源の選り好みが著しいところは、まだ普段使いの実用性に影響するレベルで残っている。もうひと息ふた息というところ。
いつもの原始的な調整方法を試みたところ大幅に良くなったので、かねて気になっていたやり方も併せてさらに試行していく。
二日掛かってしまったが、これならという音になった。
本品は店頭にてご試聴いただけます。