英・グッドマンのマキシムです。
1964年発売。ブックシェルフ型小型スピーカーの元祖と言われるモデルです。
小口径の低域ユニットを巨大な磁石で駆動する設計は極端なキャラクターの音を想像させますが、実際に聴かれるのはバランスのとれた秀逸な音です。(この画像は前回入荷時のもの)
本品は、高低両ユニット、エンクロージャー、クロスオーバーネットワークとおおよそ総ての箇所に不具合を抱えた状態で入荷しましたが、いずれも修理・整備しましたのでマキシム本来の生き生きとした音をお楽しみいただけます。
外観には重年の傷が数多く見受けられますが、オリジナルの質感を重視し、研磨や再塗装などは施さずに仕上げました。ときどき外観の天地両側と背面を水拭きしてやると木地が良い状態に保たれます(材の乾燥したエンクロージャーは良い音で鳴ると言われますが、過度な乾燥は木地の寿命を縮めます。無垢材に限らず合板にも適度な水分の疎通は必要です)。
類似の製品が他に思い当たらないほど独特でありながら、一日中聴いても何年も飽きないだろうと思える普遍性。聴いていてテンションがあがるほどパワフルな一方で、聴きながらウトウトしてしまうほどの余裕。小さな中に相反する要素を破綻なく併せ持ち強烈な魅力としている、唯一無二と言える音のスピーカーです。
モノラル一本。
・GOODMANS MAXIM・・・・・売約済み
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発売当初のマキシムの広告には、ステレオ時代への移行期を反映した“Buy one for yourself (or two-the Maxim is ideal for stereo)”の文言が見られます。
1台でモノラル再生した際に音が細らないのは、マキシムがあくまでも1台で聴くことを踏まえて作られているためです。