2024年8月9日金曜日

続・GOODMANS MAXIMの修理

 先回のツイーター修理後、無事に鳴るようになったマキシムでしたが、しばらく鳴らしているうちにピアノのアタックなどの強い高音に付帯音が出始めました。音の出どころは低域ユニット。どうやらボイスコイル擦れのようです。

ツイーターの次はウーハー。先回はネットワークとエンクロージャーも要修理だったので、結局のところ全ての箇所が不具合を抱えていた事になります。


ふたたび分解。


エッジの周囲ごとバッフルに張り付いている低域ユニットの取り外しは非常に厄介。巨大な磁石を保持した状態で、取り付け面に溶剤を染み込ませながら少しずつ剥がして行きます。ただし、エッジのダンプ剤には溶剤を付けないように。集中力と腕の持久力が要ります。

ユニットが外れたら、フレームからコーンアッセンブリーを外します。ここもエッジやダンパーを傷めないように溶剤で根気強く剥がして行きます。

マキシムのエッジはラバーエッジではなく、ゴム系のダンプ剤を分厚く塗った布エッジ


フレームバスケット部
あちこちに重年の腐蝕が

腐蝕を落として、バスケット内とギャップ部を清掃


大振幅型なので、ボイスコイルもボビンも口径に対して非常に長い

フレームの整備が済んだら、コーンアッセンブリーのメンテナンス。引出し線の付け根やコイルを点検してニスを掛け直します。コイルの浮きや剥離による異音を防ぐためで、同様にダンパーやセンターキャップの接着部も見て行きます。

フレームとコーンアッセンブリーがそれぞれ仕上がったら、組み付けて芯出し。
今回はセンターキャップを外せなかったため、通常の調整方法は使えず、また、エッジやダンパーの性格もあって、芯出し作業は非常に難儀でした。

芯出しに丸々一日を費やしてようやく組み上がり

先回の修理と合わせてかなりの手間と時間を掛ける結果となりましたが、この古い小型スピーカーの音には、それだけの値打ちは十二分にあると思います。