Stereo/Luxmanのプリメインアンプ、LXV-OT7です。
本品はオーディオ誌の付録として企画され、ラックスマンが製造した真空管ハイブリッドアンプです。好評だったためアンプ単体の限定版として2度ほど再販されていますが、いずれも完売しています。本品は初代の付録版です。
LXV-OT7はオーディオ誌の付録として企画された異色の製品ながら、近年のオーディオアンプの中では出色の銘機だと思います。
飽きの来ないシンプルなデザインと使い勝手の良さ、ほど良いコンパクトさと通常の使用には必要にして充分な出力である点など。現代の一般的なリスニング環境に沿う“ちょうど良さ”を体現したアンプであると同時に、カスタマイズを許容できる簡潔さにまで研がれた設計という、昨今の製品には稀有な特長をそなえているからです。
この個体ではボリュームノブをヴィンテージ品に換装してみました
今回の個体では、基板のはんだを無鉛はんだから昔ながらのヤニ入りはんだに、基板上の全てのジャンパー線を鉄線から同径の銅線(70年代西ドイツ製)へそれぞれ交換しています。これにより、明澄で広い音場表現を得ています。
また、ボリュームポットを純正のB50kΩからALPHA製のA50kΩへ変更。当初の設計通り*のAカーブとなった事で使い勝手が良くなり、音もアルファらしい太く充実した出音になりました。
他方、定番化したコンデンサー換装や定数変更といったカスタマイズは施さず、あえて純正部品のままとしています。
その他、当店独自の音質チューニング済みですが、大幅な改変はせずに純正の形質を最大限活かし、かつ容易にオリジナルコンディションへ復帰させられる内容としています。
整備済み。
・Stereo/Luxman LXV-OT7 ②・・・・・35,000円(税込み)
*本誌掲載の回路図でAカーブだったボリュームが、わざわざ使いづらいBカーブに変更されたのは、おそらく部品調達の問題からではないでしょうか。
このタイプの16mmボリュームでAカーブは今や希少部品になっています。良質なものとなると殊に。