次いで大きなユニット。
10インチ
これはコーン紙がカチカチ。叩けど響かず。ボイスコイルが完全に固着していました。
コーン紙もフレームから剥がせない紙質なので手の施しようがありません。先達に修理不能の旨を電話して梱包していると、ボコッ!と音がして沈み込んでいたコーン紙が戻りました。
再度電話。「こういう訳で、もう少し悪あがきしてみます」
コーンアッセンブリーを外せない以上コイルへは触れませんし、ボビンへのアプローチの方法も限定されます。ダンパーを剥がしてボビン周辺のちりを除去、様子を見ながらセンター調整していきます。
ポールピースとボビン内壁の隙間は8/100mmほど。ギャップ幅の狭いドイツのユニットの中でも特に狭いです。
3日掛けてどうにか触れない位置へ調整できたものの、鳴らしてみるとどうしても異音が取れません。中高域にコイル擦れとは異なる性格の異音が乗ります。音の感じから推測すると、コイルにボビンから剥離している箇所があるようです。
コイル抜けや剥離はコイルの上にニスを塗れば収まりますが、コーンアッセンブリーを外せないのでは処置ができません。
悪あがきの策は尽きました。残念ながら、やはりこのユニットは修理不能です。
直らない状態からの組み戻しは気が重い