2024年10月13日日曜日

コイル擦れの修理②

 次いで大きなユニット。

10インチ

これはコーン紙がカチカチ。叩けど響かず。ボイスコイルが完全に固着していました。

コーン紙もフレームから剥がせない紙質なので手の施しようがありません。先達に修理不能の旨を電話して梱包していると、ボコッ!と音がして沈み込んでいたコーン紙が戻りました。

再度電話。「こういう訳で、もう少し悪あがきしてみます」

コーンアッセンブリーを外せない以上コイルへは触れませんし、ボビンへのアプローチの方法も限定されます。ダンパーを剥がしてボビン周辺のちりを除去、様子を見ながらセンター調整していきます。

ポールピースとボビン内壁の隙間は8/100mmほど。ギャップ幅の狭いドイツのユニットの中でも特に狭いです。

3日掛けてどうにか触れない位置へ調整できたものの、鳴らしてみるとどうしても異音が取れません。中高域にコイル擦れとは異なる性格の異音が乗ります。音の感じから推測すると、コイルにボビンから剥離している箇所があるようです。

コイル抜けや剥離はコイルの上にニスを塗れば収まりますが、コーンアッセンブリーを外せないのでは処置ができません。

悪あがきの策は尽きました。残念ながら、やはりこのユニットは修理不能です。


直らない状態からの組み戻しは気が重い