2021年11月1日月曜日

残材で針に細工

 アンプキットのチューニングで使った突き板の残りを試聴用のシュアーに貼って、シェラックで仕上げてみました。


カートリッジと木の組み合わせはヴィンテージ・ジョインのカートリッジ
を真似たものです。本体部を無垢材から削り出したカートリッジは昔からありますが、木を張った仕立てのものは、少くとも私は他に知りません。
このカートリッジはとても音が良いので、


それなら、他のカートリッジも木と組み合わせたらもっと良くなるのでは?
より針先に近い交換針の方にも木を張ったら?
楽器のようにシェラックで仕上げてみたら?


という事で、試してみました。


結果は、おおむね好ましいものでした。演奏の周囲の細やかな気配や響きまで潰れることなくほぐれて音として出てきます。


M75B

一方で、突き板を張れば張った分だけ音が良くなっていくという訳ではなく、ちょうど良い按配を逸すると音のバランスは崩れます。たとえば最初の画像のSC35Cは塗装が厚すぎて細身のきつい音になってしまいました。

塗装の厚みでこれだけ音が変わるという事は、突き板の種類だけでなく塗料の種類や、更にはカートリッジへ貼る接着材によっても当然音は変化するはずです。
また、カートリッジや交換針によって音の変化する方向性や度合いは異なり、特に交換針の部分は加工に対する音の変化が大きいです。

SC35C

M44-7