探していた素材が手に入ったので、以前から構想していたRCAケーブルを試作しています。
仕様違いで作ったものを試聴中
本品は線材にヴィンテージの単線を使用し、左右の自然な広がりとスピーカー後方へ深く展開する空間再現性、音像に曖昧さや太い輪郭線が出ないようにといった鳴り方に留意して作っています。
音自体のキャラクターについては特に意識せず、素材に任せて自然に鳴らす事を心掛けています。
狙っていた鳴り方にまとまり、おおむね製品版としての仕様も固まりました。ただ、アナログ盤ではシェルリード線の性格が鳴り方に大きく影響する印象で、ヘッドシェルにオマケではじめから付いているような普通のリード線や極端に太くない単線では好結果でしたが、太めの多芯線やリッツ線を撚ったような線材を用いた凝った線とは相性が悪く、後者のようなリード線との組み合わせでは大きさや位置関係の曖昧な音像が一枚絵的に現れるような鳴り方になってしまいます。
先週より店頭では本品のデモ版を使用しており、通常のケーブルとの比較試聴などでご試聴いただいていましたが、そのデモ版が早々に売れてしまったので、試作時に没にしたケーブルで間つなぎしつつあらためてデモ用と販売分を製作しています。
本品は特に凝った内容のケーブルではないですが、とことんシンプルなつくりにするために手間と時間がかえって余計に掛かるという性質上、一度にたくさん作れないところが難点です。