1950年代のシーメンスです。
VACアルニコ仕様の13センチユニットが搭載されたスピーカーシステムです。
昔日のシーメンスは個人的に苦手という事もあってこれまで距離をとってきましたが、本品を聴いて認識が変わりました。
再生帯域を欲張らず、出る帯域を心地好く聴かせる素直な音。弦楽は引き締まった音ではなく響きで聴かせる方向性で、独特のしなやかさを感じる表現。量感に富むヴォーカルも魅力的です。
また、本品2台をステレオペアとして鳴らした場合は、モノラル一本で鳴らした時とはキャラクターが変わって、澄んだ音場が開ける印象です。
整備時
ナットのペイントロックも当時のまま。素性の良いオリジナルコンディションです
ユニットの真後ろにあたるエンクロージャー後板にはユニット前面の開口部と同じくらいの開口部があり、前面同様に上からネットが掛かっているので、背圧を逃がしつつコーンに適度な音響負荷の掛かる構造になっています。
側板の後方を接地させずに細いスチール製の脚で浮かせる凝った意匠。脚を外せば仰角にセットする事も可能です。おそらく両方の設置方法を踏まえたデザインでしょう。
整備済み。
本品はユニットの製造期日も近く音もよく揃っていてステレオペアとして2台で鳴らした際の音も魅力的でしたが、モノラル各個での販売といたします。
サイズ: W315・H220・D130(mm)、ケーブル直出し3.5m
・シーメンス モノラルスピーカー・・・・・40,000円(税込み)2台在庫有り