シュルツのKSP-130Kを使ってステレオスピーカーを組んでいます。
KSP-130Kは先回修理したものとほぼ同時期の後期型。非常にコンディションの良いペアです。
エンクロージャーには同じ東独製の13cmユニット用密閉箱を使用します。この箱は、製品に仕立てる前の状態で出てきたRFT製の未使用品です。
箱に付いていたユニット固定金具は小札状の真鍮板。これでもメーカー純正の仕様です。
こんなもので良いのかと思ってしまいますが、一見貧弱な真鍮板は2mmの厚さがあり、留めネジも前板を貫通する深さまで入っています。この辺りの荒々しい質実剛健ぶりはいかにも東側の製品らしいところです。
鳴り方を確認しながら吸音材を加減したら、組み上げて試聴。
鳴らし初めはエンクロージャーとユニットが互いに馴染んでいない散漫な鳴り方でしたが、しばらく鳴らして振動でユニットが落ち着く位置に収まった頃合いで調整して以降は腰の据わった音で広々と鳴るシュルツらしい音になりました。鳴らし込めば更に良くなっていくでしょう。
往時のエンクロージャーを未使用状態からエイジングするという機会はそうは無いので、今回のリメイクは貴重な経験になります。