東独の銘ユニット
肝心の型番標記が消えている
シュルツのKSP-130Kです。
非常に素晴らしいユニットですが、残念な事にこの個体はコイルタッチがひどくまともに鳴りません。
このような状態のシュルツは修理できるものなのか、できるとすればどこまで直せるのか。検証するついでに現役復帰させられればと試みる事にしました。
シュルツの外観上の特徴といえば、この劣化しないスポンジエッジです。
もとは軍用の特殊な素材であるとか劣化しない組成のウレタンだとか様々な説を聞きますが、実際のところは判りません。意外と台所スポンジと同じ物だったりするのかも知れません。
分解します。エッジとダンパーの接着部を少しずつ丁寧に剥がしていきます。
溶剤で弛めながら、エッジを切らないよう少しずつゆっくりと、ひたすら集中して剥がしていきます。注意すべき点は、コーン紙に負荷をかけないという点です。
エッジとダンパーを剥がしたら引き出し線を外し、フレームとコーンアッセンブリーを分離。
次にギャップにテープで目張りをして、フレームの錆や塗装の浮いた部分を除去。
不思議な事にこの灰色の塗料は磁性素材のようです。はじめは剥がれたメッキが一緒に着いているのかと思いましたが、剥がれた塗料だけでも磁石に着きます。
この塗料の破片や錆粉など金気のものがギャップに入り込まないようフレームをできる限り綺麗にします。
フレームの清掃が済んだらコーンアッセンブリーのダンパーやエッジの接着部を清掃して、
最後にギャップを清掃して仮組み、音出し。
良さそうです。